日本の各家庭に眠っているタンス預金を
なんとか投資活動に回させようと国家は色々と画策されるわけですが
その中の1つとして証券口座のNISAなどが挙げられます。
一方で、
マイナンバー制度の導入等でタンス預金が余計に増えていたりするわけですが、
今回は投資信託で話題のゼウスについて評価や今後の価格等について考えてみたいと思います。
そもそも投資信託のゼウスとはどんな金融商品なのか?
巷でゼウス!ゼウス!と話題になっているが、
そもそも投資信託のゼウスとは何ものなのでしょうか?
ゼウスとは?という点から噛み砕いてきましょう。
まず、
ゼウスというのは
ある投資信託商品の通称となります。
その投資信託商品というのは、
【新光US-REITオープン】という商品になります。
で、
この新光US-REITオープンの愛称が【ゼウス】というわけです。
では
どのような金融商品か?という点を説明していきましょう。
US-REITというポイントからピン!と来ている方もいるかと思いますが、
アメリカの不動産投資信託証券に分散投資している金融商品になります。
このゼウスは、
アメリカのアトランタにある
インベスコアドバイザーズインクという会社によって運用指図が行われています。
そもそもREITというのは、
リアル エステイト インベストメント トラストの頭文字を取った略称で
投資家から集めたお金を活用して商業ビルや賃貸住宅などを所有・管理・運営する不動産投資信託が発行する証券になります。
新光US-REITオープンを買うべきでない理由とは?
ここまで、
ゼウスについてやREIT(リート)について簡単に説明してきましたが、
結論から言いますと新光US-REIT(ゼウス)は投資対象として全くおすすめできません。
確かに、
世界でもナンバーワンの市場規模を誇るアメリカのREIT市場であることや
純資産額が約1兆5000億円と巨大な投資信託商品であることは間違いないですが
投資対象として外すべき理由がいくつも見て取れます。
まず、
このゼウスの基準価額ですが
チャートを見ると2008年のリーマンショックをピークアウトに
15000円を付けていた価格が1/5程度の3100円台まで落ち込んでいます。
今後の価格変動については、
誰にも未来を的中させることは出来ないですが
アメリカ経済の復調によって数年単位では堅調に推移する可能性もあります。
ただし、
問題点は他の点にあります。
初期導入コスト&継続固定コストです。
まず、
このゼウスを購入するに当たり
購入手数料が上限3.24%掛かります。
また、
毎年の信託報酬として年率1.6524%徴収されます。
この数字の意味が分かるでしょうか?
投資家としてのスタート段階で既に100%の元本が割れており
その後も儲かろうが損していようが、毎年年率で約1.7%の信託報酬を徴収されるわけです。
また、
毎月5日の安定した高分配金を謳い
情報弱者から投資信託の投資マネーを集めているのかとは思いますが
冷静に数字を分析する必要があります。
すると、
REIT(リート)としての本業から得られるインカムゲインと
分配金として支払っている金額に驚かされることになります。
簡単に説明すると、
この通称ゼウスという投資信託は
ザックリ5000円の売上に対し約10000円の経費がかかっているような現状となっているわけです。
もう少し言うと、
不動産等の売却益と家賃収入等が5000円で
信託報酬や投資家への分配金等が10000円ということになります。
つまり、
毎年毎年マイナス5000円の家庭を想像すれば分かりやすいですが、
そんな家庭があれば確実に破綻しますよね?
では、
この状況をどのように維持しているか?と言いますと、
最大の経費となっている分配金を投資元本を切り崩すことで維持しているわけです。
ものすごく恐ろしい状況だと思いますが、
これを続けるとどのような未来が待っているかは一目瞭然ですよね?
投資元本が分配金として回され
基準価額はドンドン下がり・・・ということです。
こんなリスクばかりの投資信託を購入する価値があるのでしょうか?
最終的な判断は個人に委ねられますが、
個人的には投資対象としては外れます。
投資はリスクリターンを検討するがその前にやるべき事
お金に余裕が出来ると
将来の不安を勘案し投資にお金を回そうと考えるのが世の常ですが、
FXや株式投資は大きく損する可能性があるから投資信託なら安全かも!と考える人が多いようです。
証券会社の担当者の営業トークに乗せられてしまっている人が多いのかもしれませんが、
投資信託にも多分にリスクが存在します。
このようにある程度貯金が作れて、
投資を考えている人に最初にアドバイスすることが
低い利回りとはいえ、貯金をしている銀行口座の見直しをおすすめしています。
というのも、
今の時代メガバンクにお金を預けておいても
年利は0.001%というあり得ない数字が提示されています。
年率0.001%ということは、
100万円預けていても1年間で10円しか利息がつきません。
ですが、
日本にはもっと利回りが高い普通預金口座が存在します。
意外と知られていないのですが、
無料で口座開設できるわけですから利用しない手はないわけです。
貯金口座の金利がちょっとでも高いところに貯金を移して
労せずにお金が勝手に増える仕組みを活用して自動でジワジワお金を増やそうではありませんか。
いきなり手数料で3%も取られて投資元本が97%になり
毎年儲かろうが大損しようが約1.7%も手数料を取られる投資信託は実は危険であることを認識する必要があります。
元本が保証される預金で安定的にジワジワお金を増やすことを最初に考えましょう。